自己破産経験があっても会社は作れる?法人設立と信用情報の違いを調べてみた

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前回の記事では、
「株式会社と合同会社、個人事業主の俺ならどっち?」
というテーマで、法人化について調べてみました。
調べている途中で、私にはもう一つ気になることが出てきました。
それが、
「過去に自己破産を経験したことがある人でも、会社を作ることはできるのか?」
という疑問です。
自己破産という言葉を聞くと、
「会社なんて作れないだろう」
「代表者にはなれないのでは?」
「銀行にも相手にされないのでは?」
と考えてしまう人もいると思います。
でも、調べてみると、
会社を設立できるかどうかと、融資やクレジットの審査は別の話
だということが分かってきました。
今回は、この違いをできるだけ分かりやすく整理してみます。
私は弁護士・司法書士・税理士ではありません。この記事は、個人事業主である筆者が公開情報をもとに、自分自身の法人化検討のために調べた内容を整理したものです。
同じように過去の自己破産経験が気になって、法人化に踏み出せない方の参考になればと思います。
結論からいうと、自己破産経験があっても会社は作れる
まず一番気になっていた結論です。
過去に自己破産を経験したことがあっても、原則として株式会社や合同会社を設立することはできます。
さらに、株式会社の取締役や代表取締役になることも可能です。
現在の会社法では、破産者であること自体は取締役の欠格事由にはなっていません。
会社法が制定された際、法務省は「破産手続開始の決定を受け復権していない者」を取締役の欠格事由から外しています。
つまり、
「自己破産したことがあるから、会社の代表者にはなれない」
という理解は、現在の制度では正しくありません。
ここは、私自身も調べる前のイメージとはかなり違いました。
「会社を作れる」と「信用がある」は別の話
ここが今回、一番大事だと思ったところです。
- 自己破産経験があっても会社を設立できる。
- 代表者にもなれる。
だからといって、
「過去の自己破産は何の影響もない」
という意味ではありません。
法人を設立することと、
- 銀行から融資を受けること
- 法人カードを作ること。
- リース契約を結ぶこと
- 代表者保証を付けて借入をすること
これらは別の審査です。
法人を設立する際の登記では、
「過去に自己破産したから会社を作れません」
という話には基本的になりません。
一方で、銀行やクレジットカード会社などが審査を行う場合には、代表者個人の信用情報が確認されることがあります。
ここを一緒に考えると、
「自己破産した人は法人化できない」
という誤解につながりやすいのだと思います。
信用情報にはどれくらい残るのか
では、自己破産に関する情報はどれくらい残るのでしょうか。
これも信用情報機関によって違います。
CICの場合
CICでは、現在、官報情報そのものは保有していません。
クレジット情報については、契約中および契約終了から5年間が基本です。
自己破産の場合は、免責許可決定を確認した加盟会社から報告された日などが基準になります。
つまり、
「自己破産した日から必ず5年」
と単純に考えるのではなく、
契約や登録情報の状態によって起算点が変わる可能性があります。
JICCの場合
JICCでも、契約情報などは契約継続中および契約終了後5年以内が基本です。
自己破産で免責が確定した場合は、登録会社がその事実を確認すると、免責確定の日付で完済として登録されます。
注意したいのは、破産手続きで免責が確定しても、裁判所から各金融会社へ自動的に通知されるわけではないという点です。
場合によっては、本人から免責確定を証明する資料を出して情報を更新してもらう必要があります。
全国銀行個人信用情報センターの場合
銀行系の信用情報を扱う全国銀行個人信用情報センターでは、
破産・民事再生の官報情報について、
破産手続開始決定などから7年を超えない期間
登録されます。
ここはCICやJICCと違うポイントです。
なので、
「5年経ったから全部きれいになっているはず」とは限りません。
5年以上経っていれば、もう大丈夫なのか?
ここは気になる人が多いと思います。
私も気になりました。
結論からいうと、
5年経過=すべての信用情報が必ず消えている
とは言い切れません。
CICやJICCでは5年以内が基本ですが、銀行系の全国銀行個人信用情報センターでは官報情報が7年を超えない期間登録されます。
また、契約終了日や免責確定の登録状況によって、情報が残っている期間に差が出る可能性もあります。
そのため、
「過去の情報がまだ残っているかどうか」
を正確に確認したい場合は、自分自身で信用情報を開示する方法があります。
CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターでは、本人が自分の信用情報を確認する制度があります。
法人化や融資を本気で考えるのであれば、
先に自分の信用情報を確認しておくのも一つの方法だと思います。
会社は作れても、融資では代表者の信用が見られることがある
会社を設立すると、
「法人は別人格だから、個人の信用情報は関係ないのでは?」
と思うかもしれません。
法律上、法人と個人は別人格です。
ただし、設立したばかりの会社には実績がありません。
- 売上実績
- 決算実績
- 資産
- 返済実績
こういったものがほとんどないため、金融機関側は代表者本人の状況も含めて判断することがあります。
特に、
- 創業融資
- 法人カード
- 事業用ローン
- リース
- 代表者保証付きの融資
などでは、代表者個人の信用情報や返済能力が審査材料になる可能性があります。
つまり、会社を設立することはできても、設立直後から希望どおりに資金調達できるとは限らないということです。
ここは分けて考えた方がよさそうです。
法人カードも同じように考えた方がよさそう
法人カードという名前を見ると、
「法人の審査だから個人の過去は関係ないのでは?」
と思ってしまいます。
ただ、設立直後の小さな会社の場合は、代表者個人を審査対象にするカードもあります。
会社に長い実績がない以上、
「この会社の代表者は誰か」
「その人に返済能力があるか」
を見るのは自然なことだと思います。
一方で、法人カードにもいろいろな種類があります。
審査方法や必要書類、代表者保証の有無などはカード会社によって異なります。
なので、
「自己破産したことがあるから法人カードは絶対作れない」とも、
「5年経ったから必ず作れる」とも言えません。
最終的には、それぞれのカード会社の審査になります。
過去の自己破産だけで法人化を諦める必要はない
ここまで調べてみて、一番伝えたいのはこれです。
過去に自己破産した経験があるという理由だけで、法人化そのものを諦める必要はありません。
会社を作ることと、
- 銀行からお金を借りること
- クレジットカードを作ること
この2つを一緒に考えない方がいいです。
法人化には、
- 取引先からの見え方
- 事業承継
- 雇用
- 資金管理
- 税務
- 社会保険
さまざまな要素があります。
過去の自己破産は、その中の「信用・資金調達」という一部分に影響する可能性があるだけです。
それだけで、「自分は会社を持てない」と決めてしまうのは、少し早いと思います。
むしろ、過去があるからこそ慎重に会社を作るという考え方もある
自己破産を経験した人は、お金の怖さを一度経験しています。
これはもちろん、経験したくてするものではありません。
ただ、
- 借入を増やしすぎない
- 固定費を増やしすぎない
- 無理な事業拡大をしない
- 資金繰りを確認する
- 契約内容をきちんと読む
こういったことを、以前より慎重に考えるきっかけになる場合もあると思います。
法人化は「会社という肩書きを持つこと」が目的ではありません。
事業を継続するための一つの手段です。
過去に失敗した経験があるからこそ、
- 次は小さく始める
- 借金ありきで始めない
- 売上を作ってから拡大する
そういう会社の作り方もあっていいと思います。
会社設立の準備自体は、融資がなくても進められる
会社設立そのものは、必ず銀行融資を受けて行うものではありません。
自分で資本金を用意して、小さく会社を設立することもできます。
- 会社名
- 所在地
- 事業目的
- 資本金
- 株式会社か合同会社か
こういった基本事項を決めて、必要書類を整えていきます。
法人化を考え始めたものの、
「何から準備すればいいのか分からない」
という方には、会社設立を支援する無料サービスを使って手続きを整理する方法もあります。
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弥生では、画面に沿って必要事項を入力しながら、会社設立に必要な書類の準備を進められるサービスが用意されています。
「まず何を決めればいいのか」
「どんな書類が必要なのか」
というところから確認したい方は、一度内容を見てみると分かりやすいと思います。
自分の信用情報は、一度確認しておいてもいい
もし過去に自己破産を経験していて、
今後、
- 法人化
- 融資
- 法人カード
- 住宅ローン
- 事業用ローン
などを考えているのであれば、自分の信用情報を確認しておくのも一つの方法です。
「もう消えているだろう」と想像するより、実際に確認しておいた方が安心できます。
もし情報に誤りがある場合や、免責確定後も残高が残ったままになっている場合には、登録会社へ確認する必要があるケースもあります。
過去を気にし続けるより、今の自分の状態を確認して、次に進む。
その方が前向きだと思います。
次に気になるのは、法人化したら税金と社会保険がどう変わるか
会社を作れることが分かっても、「じゃあ本当に法人化した方がいいのか?」という疑問は残ります。
特に気になるのが、
- 税金
- 社会保険
- 役員報酬
- 会社に残すお金
このあたりです。
個人事業主と法人では、仕組みがかなり変わります。
次の記事では、
「法人化したら税金と社会保険はどう変わる?」
というテーマを、個人事業主目線で調べてみたいと思います。
【次の記事 ↓】
法人化したら税金・社会保険はどう変わる?個人事業主が調べてみた
まとめ|自己破産経験と法人設立は分けて考えよう
今回調べてみて分かったのは、自己破産経験があることと、会社を設立できるかどうかは、
同じ問題ではないということです。
過去に自己破産していても、原則として会社を設立できます。
代表者になることもできます。
一方で、
- 融資
- 法人カード
- ローン
- リース
などの審査では、代表者個人の信用情報が影響する可能性があります。
つまり、法人設立はできる。
でも、信用取引の審査は別。
この2つを分けて考えることが大切です。
過去に自己破産した経験があるからといって、
「もう事業を大きくすることはできない」
「会社なんて作れない」
と最初から諦める必要はありません。
まずは、今の自分の信用情報。
現在の事業状況。
法人化する目的。
必要な資金。
これらを一つずつ整理する。
その上で、
「今なら進められる」
と思えたところから動けばいいのだと思います。
過去は変えられません。
でも、これからどう事業を作っていくかは考えられます。
この記事が、同じような経験を持つ方が次の一歩を考えるきっかけになればうれしいです。
※この記事は2026年9月時点の公開情報をもとに整理しています。
制度や信用情報の取扱いは変更される場合があります。
実際に法人設立、融資、債務整理等を行う場合は、法務省、各信用情報機関、金融機関などの最新情報をご確認ください。個別の法律問題については、必要に応じて弁護士・司法書士等の専門家へご相談ください。
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代表・三好 進
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